■□■ カンガルーケア ■□■

カンガルーケアって、知っていますか? 最近よく聞きますよね。
カンガルーケアとは簡単に言うと、ママやパパが裸の赤ちゃんと素肌と素肌を合わせ、抱っこすることです。
この抱っこして寄り添う姿が、まるでカンガルーが赤ちゃんをポケットに入れ、常に触れあった保育をしている様子に似ているので「カンガルーケア」と言われています。
でも、このカンガルーケア、ただの抱っこではないんです。ママやパパにも、そして赤ちゃんにも不思議な力を与えてくれるんです。
ここではそんなカンガルーケアについて、少しお勉強しましょう♪


カンガルーケアのはじまり

1979年、南米のコロンビアでカンガルーケアははじまりました。
そもそものはじまりは、低出生体重児のための保育器が不足したため、ママなどに自分の体温で温めてもらうという処置をとってもらった。すると・・・、低出生体重児の自律哺乳が容易になった、低出生体重児の生存率が著しく改善した、育児放棄がなくなった等、思わぬ効果がママと赤ちゃんにあり、その方法が世界に広まっていったのです。


カンガルーケアの効果

カンガルーケアの効果として、以下のようなものがあげられます。
・保育器よりもママの肌の方が体温を保つ効果が高い。
・保育器の中でも外でも、低出生体重児は無呼吸を起こしやすいが、ママが呼吸をすると赤ちゃんが刺激されるため、無呼吸が少なくなる。
・カンガルーポジションという少し立て抱きにした姿勢は酸素を非常に効率よく体に取り入れることができる。寝たままの保育器の中よりよいとも言われている。
・感染症についても、もともと健康な人の肌には、常在菌がついていて、ママの常在菌を赤ちゃんに与える事で、他の悪い細菌の感染を予防できる。
・赤ちゃんとママなどとの「愛着」の形成や、お母さんの気持ちの安定にとても有効。母乳分泌もよくなる。

カンガルーケアの広まり

1983年、ユニセフではカンガルーケアを発展途上国で推進するため、「保育器に収容する代わりに、母親の乳房にぴったり接触させる。これには科学的技術は必要なく、コストもいらない。カンガルーケアの導入前では、1000g未満の低出生体重児の全員が死亡していたが、いまでは、その4分の3が救命されている。1000〜1500gの低出生体重児の死亡率は70%から10%に低下した」と宣言し、低出生体重児の保育方法として世界中に広めています。

一方、先進国では低出生体重児に対してはNICUという施設もあり、低出生体重児は比較的容易に救命できます。でも、その環境ゆえに赤ちゃんとママは出産後早期に引き離され、ママは喪失感や罪悪感にさいなまれます。そんなママも胸の中で確かに生きている赤ちゃんの動きや体温を感じることによって「我が子の母親は唯一、自分なのだ」ということを確認でき、自信を回復していく過程に役立つのです。

そんなこんなで、カンガルーケアは世界中に広まっていったのです。


カンガルーケアの実際

以上のように、カンガルーケアが注目され、世界に広まったのは低出生体重児の生存率があがったことが一番の理由です。
でも先進国である日本ではNICUという施設で、低出生体重児への医療は非常に充実しています。なので、日本ではカンガルーケアを母子の愛着形成のために行われることが多いです。
よって、低出生体重児に限らず、元気に生まれた赤ちゃんでもカンガルーケアを勧める産院が増えてきています。

出産によって、今まで37度弱のママの暗いお腹の中から、急に30度以下の寒く、まぶしい世界に出てくるんです。赤ちゃんは不安でいっぱいです。
でも赤ちゃんは生後1〜2時間は非常に覚醒した状態にあります。この1〜2時間がとても大切なのです。赤ちゃんはたくさんの刺激を受け入れやすく、反応が出やすくなっています。ここでママの温かい肌に触れることによって、ママを感じることができるのです。
そしてママもこの時間、陣痛からの開放感と赤ちゃんを出産したという安堵感に包まれ、10ヶ月もの妊娠期間を経て、頑張って出産した赤ちゃんを見て、肌で感じることによって赤ちゃんへの愛着が形成されるのです。
また不思議なことに、ママの胸の上で赤ちゃんは誰に教えてもらうわけでもないのにおっぱいを探しはじめます。自分の力でおっぱいまでたどりつき、パクリ! 母乳はまだ出ていなくても一生懸命おっぱいを吸おうとします。赤ちゃんの不思議な力をカンガルーケアでは見ることができます。ママには早期に母乳を出すホルモンが働きはじめ、母乳分泌もよくなるのです。

産後の1〜2時間は、お産の疲労や出血等もあり、安静に過ごすことが多いです。その時間にカンガルーケアを行う産院が増えてきています。

でもカンガルーケアを出産後すぐにできない場合もあります。
帝王切開であったり、赤ちゃんに生後すぐに処置・治療を開始しなくてはいけなかったり、ママがとても疲れてしまっていたり・・・。
最近ではそんな状況であっても、カンガルーケアを勧める産院が増えてきています。
帝王切開の手術中であっても、ママの首元〜胸元に赤ちゃんを乗せてあげることはできます。手術中に無理なら手術が終わったあと、お腹の傷に負担にならないように抱っこしてもらえます。
生後すぐに処置・治療が必要でも、とりあえずの処置が終われば、ほんの短い時間でもママの肌に触れさせてあげることは可能です。
ママが疲れていて胸の上に抱くことができないのなら、ほっぺたに触ってもらうだけでもいいんです。
ママと赤ちゃんが触れあうことは、とても大切なことなんです。

それでもやっぱり触れることすらできない場合もあります。
赤ちゃんが生後すぐにNICUに入院になったり、時には別の病院に運ばれちゃったり・・・。
そんな時は面会のときに、いっぱい触れあえばいいんです。生後1〜2時間の触れあいはとても大切なものだけど、赤ちゃんとママとの時間はそれから先の方がずっと続くんですから。これからを大切にすればいいんです。

そして最近ではカンガルーケアを行っているNICUもとても増えています。特にNICUに入院する赤ちゃんは生後すぐにおっぱいを吸わせてあげられない場合が多いです。おっぱいを吸えなくても早期に触れあうことが大切なんです。
保育器から短い時間だけ出てきて、ママだけでなく、パパにもカンガルーケアをしてもらえます。
赤ちゃんにとっては、保育器でずっと寝ているよりもカンガルーケアをしてもらう方がいいんです。



でも実際のところは、産院によって、医師によって、カンガルーケアへの考え方はいろいろだと思います。
産後すぐにカンガルーケアをやってみたいな、赤ちゃんはNICUに入院中だけどカンガルーケアはできるかな、という方、一度確認してみて下さいね〜。



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